熱中症を防いで元気な夏を!

今の時期が一番危険です!

近年よく耳にする「熱中症」。幼児から高齢者まで年齢を問わず起こりうる症状で、毎年、この時期になると多くの方が病院に搬送され、症状が重いと死亡してしまう場合もあります。平成22年の熱中症による死亡者数(厚生労働省調べ)は、1,718人でした。福島県では38名の方々が命を落としています。

熱中症

熱中症とは、発汗や循環機能に異常をきたし、体温調節がうまくできなくなることによって起こる体の不調を総称した症状のことを言います。人間は通常、36~37℃の間で体温調節をする恒温動物です。しかし、急激な気温の上昇や湿度が高くなることによって、本来、私たちが持っている体温調節機能がうまく機能しなくなり、発汗による蒸発や皮膚からの熱放出を通じた体温コントロールの力が崩れ、一定に保たれるはずの体温が上昇し、体内に熱がこもってしまいます。同時に体内の水分や塩分のバランスも失われ、めまい・けいれん・吐き気・意識障害・頭痛など様々な症状が引き起こされます。

熱中症の症状には「熱疲労」「熱けいれん」「熱失神」「熱射病(日射病)」の四つがあります。

  • 熱疲労…水分不足による脱水症状と血圧の低下によって、頭痛・めまい・吐き気・脱力感などを生じる
  • 熱けいれん…汗を大量にかいた後に水ばかり飲んで、塩分の補給をしなかった場合に起こりやすい。お腹やふくらはぎの筋肉が強くけいれんする。
  • 熱失神…直射日光下の野外や高温多湿の室内などで長時間活動していた場合、めまいや失神が起こる。
  • 熱射病(日射病)…体温が四十℃以上に上昇し、発汗も見られなくなり、吐き気・頭痛のほか、言動がおかしくなったり意識を失ったりする。

熱中症は毎年、梅雨入り前から発生し、梅雨明けにかけて多発する傾向にあります。特に真夏日(最高気温が三十度以上の日)や熱帯夜(夜間の最高気温が二十五度以上の日)が続くと、死亡者数が増えます。しかし、熱中症は夏の炎天下でばかり起きるわけでもありません。湿度が高い場所で汗をかいても蒸発せず、体内に熱がこもってしまう場合にも熱中症になる可能性があります。そのため、室内で静かにしていた高齢者や、体調のすぐれない子供が体内の熱をうまく放出できずに熱中症になることがあるのです。

熱中症は誰にでも起こりうる恐ろしい症状だということを理解して、しっかりと予防しましょう。そして今年の夏は元気いっぱい、楽しく過ごしましょう。

どうして熱中症になるの?

教えて!ドクター

ドクター

気温が体温より高くなると、空気中への熱の放出が難しくなるため、体温調節は発汗だけに頼ることになります、また湿度が75%以上になると汗をかいても流れ落ちるばかりでほとんど蒸発しなくなってしまいます、そのため、発汗による体温調節すら出来なくなってしまう恐れがあります。

また、体温が37度を超えると皮膚の血管が拡張し、皮膚の血液量を増やして熱を放出しようとしますが、このとき体温がさらに上昇し、発汗などによって体の水分量が極端に減ると、今度は心臓や脳を守るために血管が収縮し始め、熱が放出できなくなってしまいます。

熱中症は、このように体温を調節する機能がコントロールを失い、体温がグングン上昇してしまう機能障害です。

熱中症の症状と重症度

熱中症はいくつかの症状が重なり合って起きます。症状は軽いものから重いものとさまざまですが、短時間で急速に体調が変わり、重症になるケースもあります。
老若男女問わず多くの人がかかりやすい症状ですので、熱中症の症状と危険性をしっかりと認識しておくことが必要です。

軽度 めまい・失神 脳への血流が瞬間的に不十分になり、立ちくらみがする。
筋肉痛・筋肉の硬直 筋肉のこむら返りにより痛みを伴う。
汗をかくことでナトリウム等の塩分が不足して生じる。
大量の発汗
中度 頭痛・気分の不快・吐き気
嘔吐・倦怠感・虚脱感
体がぐったりする。力が入らない
重度 意識障害・けいれん
手足の運動障害
呼びかけや刺激への反応がおかしい。
体にガクガクとひきつけがある。
まっすぐ走れない、歩けない。
高体温 体に触ると「熱い」と感じる。

また下記のような方が熱中症にかかりやすいので心当たりがある場合は注意しましょう。

  1. 子供(特に乳幼児)、高齢者
  2. 肥満、運動不足の人
  3. エアコンが嫌いな人
  4. 風邪を引いている人、免疫力が低下している人
  5. 体を冷やすといけないと、長袖を着て寝る人
  6. 夜中トイレが近くなるからと寝る前に水を飲まない人
  7. 心疾患、循環器障害など慢性疾患のある人
  8. 野外で仕事や運動をする人
  9. 発汗に影響のある薬剤を使用する人
  10. アルコールや薬物の乱用がある人
  11. 野外で飼われるペット

また抵抗力のない子どもも熱中症にかかりやすいので、保護者の方は十分な注意が必要です。

新生児

体温の調節が未熟ですので、クーラーや扇風機を上手に活用し、まめに水分補給しましょう。真夏日などの外出はなるべく控えた方がいいでしょう。

乳児

外出時は必ず帽子をかぶせて、午前中や夕方など涼しい時間帯に行動しましょう。ベビーカーの温度は、大人の顔の位置の温度より約三~四度高いです。また、レインカバーなどは熱がこもりやすいのでこまめに換気しましょう。

幼児

言葉がしっかり話せない分、唇の乾燥やおしっこの量、寝汗など、子どもの微妙な体調の変化に気づいてあげることが大切です。また、散歩やお出掛けをする場合、アスファルトの照り返しに注意しましょう。加えて水筒を持参するなどして、こまめに水分補給することが大切です。

資料提供・地域医療の発展を応援する無料雑誌「ぷるぷる」vol.5



1 / 212